小春日ほどの幸福。
2022/11/09
小春日の海と並んで歩きけり 宮﨑夕美
「幸福は常に外に現われる。歌わぬ詩人というものは真の
詩人ではない如く、単に内面的であるというような幸福は
真の幸福ではないだろう。幸福は表現的なものである。鳥
の歌うが如くおのずから外に現われて他の人を幸福にする
ものが真の幸福である。」三木清著「人生論ノート」より抜
粋してみました。
冒頭から難しいこと書いてますが、
三木清の言わんとしていることは、
日常の生活の中にこそ幸福はあるというもの。
また、幸福を感じない世の中こそ不幸であるとも言っております。
今日取り上げた一句にしても、小春日の温かな陽気の中
海辺を散歩している。ただ、それだけの描写ですが、
読む人の心に伝わるものがあります。
多分散歩している人は幸福を感じているのではと想像が広がるのです。
そして、俳句というものは、日常生活のちょっとした幸福を表現するのに
最適な詩ではないかと思うのです。
俳句の一句が、読む人を幸福にできる。
そんな確信があります。