2025年01月11日

悩み解決法?。





その奥に梟のゐる鏡欲し   正木ゆう子




昨年の秋ごろ、須坂動物園に行きまして動物たちの写真を撮ってきたのですが、本日はその中からプレーリードックの一枚を掲載します。
動物の写真を撮るのもなかなか難しいですね。「写真撮りますよ」と言っても動き回って言うこと聞いてくれませんからね。それに、檻に入れられているので柵や金網が写りこんでしまい、うまく撮影できません。本日の一句の為にシロフクロウの写真を掲載したかったのです。しかし、柵や金網が邪魔になってしまい断念しました。シロフクロウと言えばハリーポッターの世界を想像しますが、フクロウ自体が知恵のある賢い存在になっておりまして、そのあたりを一句に織り込めばいいかなと。もちろんフクロウは冬の季語です。などとぶつぶつつぶやきシローさんになっていますが、今日の一句も何らかの悩みの解決法が見当たらず鏡の奥に住むフクロウに知恵を借りたい様子。でも、でも鏡に映るのは自身の悩みにあふれた顔なのです。
  


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2025年01月10日

遠山の、遠山に、遠山様。







遠山に日の当たりたる枯野かな   高浜虚子


毎日寒い日が続いております。周囲を見渡すと雪景色なら多少いいんですが、枯れ色の風景ばかり目につき余計寒く感じます。
そんな時、思い出すのが今日の一句。上五の遠山は、遠山金四郎のことじゃございませんよ!!。遠山は遠くの山の意味。その遠山に朝日なのか夕日なのか日が当たっている。周囲の風景は草が枯れ果てて蕭条とした、冬野よりも荒涼とした、ひたすら寒いさみしい風景。荒涼とした寒い風景の中で人間の暖かさ、心音まで聞こえそうな句でもありますし、気持ちの引き締まるような句であります。さて、ねこはるもそろそろ出勤しなければなりませんが、施設内で利用者さんと楽しむレクリエーションを何か考えなければなりません。優しすぎず、難しすぎず、皆さんで楽しめるもの。悩みますな~。こんな時、枯野にでも立っていれば頭がさえるんでしょうかね。あ~寒い。


  


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2025年01月09日

お~~い、雪女。




雪女鉄瓶の湯の練れてきし     小川軽舟




やあ、皆さんお元気でお過ごしでしょうか、今日の俳句は「雪女」を取り上げたいかと、え~、そうなんですよ、「雪女」もれっきとした俳句の冬の季語なんです。俳人なら一度は作ってみたい季語なんですが、まずは、Wikipediaさんから寄せられた情報から紹介いたします。
雪女の起源は古く、室町時代末期の連歌師・宗祇法師による『宗祇諸国物語』には、法師が越後国(現・新潟県)に滞在していたときに雪女を見たと記述があることから、室町時代には既に伝承があったことがわかる
呼び方は違えど、常に「死」を表す白装束を身にまとい男に冷たい息を吹きかけて凍死させたり、男の精を吸いつくして殺すところは共通しており、広く「雪の妖怪」として怖れられていた。
雪女は『宗祇諸国物語』をもとにした小泉八雲の『怪談』「雪女」の様に、恐ろしくも美しい存在として語られることが多く、雪の性質からはかなさを連想させられる。この季語の俳句の有名な句には、みちのくの雪深ければ雪女郎 ─ 山口青邨 、雪女郎おそろし父の恋恐ろし ─ 中村草田男などあります。
雪女の怖さをどのように表現するかが問題になりますね。また、変わった句では雪女郎なら夏目雅子タイプが好き  七田谷まりうすなんてユーモアな句もありますが。さて、この句に登場した夏目雅子さんという女優さんをご存じの方いらっしゃいますか、いらっしゃったら挙手願います!!。
1970年代後半に活躍した女優さんで、出演したテレビドラマの中から選ぶと堺正章さんが孫悟空、岸部シローさんが沙悟浄、西田敏行さんが猪八戒、そして夏目雅子さんが三蔵法師を演じた「西遊記」ですかね。とても面白いテレビドラマでしたが、確かに夏目雅子さんは雪女(雪女郎)も似合いそうに思いますが、人それぞれの好みもありまして・・・、なんだかんだと雪女の話を書いてきましたが、鉄瓶のお湯が練れたころ、囲炉裏の火が忽然と消えて・・・、吹雪の音が聞こえるばかりです。


*雪女は雪女郎とも言います。



  


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2025年01月08日

大河ドラマと俳句。





白粉(おしろい)の残りてゐたる寒さかな  中村吉右衛門




NHKの大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」の登場人物欄をみていたら長谷川平蔵の名前があり、あ、この方もこの時代に生きてらしたのかと思いました。長谷川平蔵こと、長谷川 宣以(はせがわ のぶため)は、江戸時代中期の旗本。寛政の改革期に火付盗賊改役を務め、人足寄場を創設した。通称は平蔵(へいぞう)。長谷川平蔵の名は、池波正太郎の時代小説『鬼平犯科帳』の主人公「鬼平」として、日本の時代小説・時代劇ファンに知られている。ということでテレビの時代劇でお会いしています。でもなんでここに取り上げるかというとテレビ時代劇で長谷川平蔵役をされていた二代目中村吉右衛門さん。貫禄があって推理力、決断に優れたリーダー役でしたが、二代目中村吉右衛門さんの祖父が
初代中村吉右衛門さんで、その方が俳句を作られていて、高浜虚子の門弟だったわけなんですわ。客観的で品のある俳句を作られいていますが、今回の大河ドラマでは中村隼人さんが若いころの平蔵を演じるわけで、若いころの平蔵は風来坊で「本所の銕」と呼ばれ、遊里で放蕩の限りを尽くしたという逸話も持つらしく、ちょっと楽しみな一年になりそうですね。そこで今日の一句は初代中村吉右衛門さんの句。歌舞伎の舞台が終わり楽屋で化粧を落としているのですが、化粧が落ち切れていなくて白粉が残ってしまい、鏡の中の自分に寒さを感じたという心理的な俳句となっています。五七五の十七文字でも心理的な表現ができる俳句は奥が深いですね。











*初代 中村 吉右衛門(しょだい なかむら きちえもん、1886年(明治19年)3月24日 - 1954年(昭和29年)9月5日)は、
明治末から昭和にかけて活躍した歌舞伎役者。屋号は播磨屋。  


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2025年01月07日

炬燵いろいろ





火の気なき炬燵の上の置手紙  岸田今日子





冬の寒い時期になると炬燵が欠かせませんね。 施設での仕事中は動き回っていますし、暖房も効いているので汗を掻くほどですが、
自宅へ戻ると寒い寒い。さっそく炬燵へ飛び込むという事態です。さて、今日の一句は俳優の岸田今日子さんの一句。岸田さんも生前は俳句を作ってらっしゃつて、その中の一句を選んでみたのですが、これは超ッと寒い一句ですね。炬燵はいつも暖かいものだと思ってしまうのですが、人間が豆炭炬燵なら豆炭を熾してから、電気炬燵ならコンセントにプラグを入れてから暖かくなるというもの。この句の場合は、自分で炬燵に豆炭を熾し、電気を入れなければなりません。しかも炬燵の上には置手紙があって意味深な一句であります。さて、この文章の中で豆炭炬燵が出てきますが、豆炭を使う炬燵いまあるんですかね?。電気炬燵よりは暖かい気がしますが。それと、昔、林檎の枝を焚いて炭にして熾した【林檎炭炬燵】に入れてもらったことがあるのですが、これはとても暖かくて体の芯から温まりました。炬燵にもさまざまあるということですね。
  


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2025年01月06日

福助さんの幸せ





福助のお辞儀は永遠に雪が降る  鳥居真里子




毎日寒い日が続いておりますが、さて、今日の一句の主人公の福助を皆様ご存じでしょうか??。
そうそう、床の間になど飾ってある陶器の人形、福助人形(ふくすけにんぎょう)のこと。幸福を招くとされる縁起人形。正座をした男性で、大きな頭と
ちょんまげが特徴。頭が大きな人の比喩にも用いられる。元々は、文化元年頃から江戸で流行した福の神の人形叶福助。願いを叶えるとして茶屋や遊女屋などで祀られた。叶福助のモデルとなった人物も実在したと言われており、松浦清の『甲子夜話』にも登場する。当時の浮世絵にも叶福助の有掛絵が描かれ、そこには「ふ」のつく縁起物と共に「睦まじう夫婦仲よく見る品は不老富貴に叶う福助」と書かれている。とWikipediaの助力を得まして書いてみましたが、叶福助さんのモデルが実在したとのこと、一説によると低身長で頭の大きな男性が笑いものにされるのが嫌と生まれ故郷を飛び出して見世物小屋で働いて?いたところ人気が出まして某旗本の家に奉公に行き、その旗本の家が幸運に恵まれるようになり、福助さんも近所で評判の幸運を授ける男とありがたがられ、ついには奥さんまで貰って福助さんも幸せになったというお話。障害のある人などに差別や偏見があり、人権や尊厳に関しても貧弱な時代に、いや、{今も差別や偏見がありますが、}だれかどうか助けてくれる、見方になってくれる人もおり、人間とは不思議な生き物でありますと、しんしんと降る雪の空を見上げるねこはるでありました。
  


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2025年01月05日

巳年ということで・・・。




冬眠の蝮のほかは寝息なし    金子兜太







今年は巳年ということで俳句の季語にも蛇に関する季語がございまして、春の季語で「蛇穴を出る」・・・春になると冬眠から覚めた蛇が穴から出る。
夏になると蛇自体が夏の季語。そして蝮やなんやらも夏の季語に。また、蛇衣を脱ぐという季語もあります。「蛇衣を脱ぐ」つまり脱皮のことですね。
そして、そして秋の季語として「蛇穴にいる」・・・秋も深まると蛇も冬眠の為に穴へ入っていくというもの。また、暖かな日が続くと穴に入ろうか入るまいか迷っている「穴惑い」という季語になりますな。日本人の言葉に対する感覚の鋭さ、ユーモアまで感じさせます。では、冬の季語はどうかといいますと、やはり蛇も穴に入って冬眠中ということで蛇自体に関する季語はありませんが、俳句を作る人たちは許しません。冬のほかの季語に織り込んで使われています。例えば、今日の一句の「蝮」こいつも蛇なので作者の金子兜太は心理的に擬人化した句に仕上げています。なんか、難しい話になるのでここらで止めますが、このねこはるが行くのブログも長く続けていきたいですね。


  


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2025年01月04日

小林一茶と嫁が君





晩婚の一茶の閨の嫁が君   角川春樹





俳句の季語は800種類とも、もっとあるともいわれております。その中には面白いネーミングの季語もございましてその中から本日は「嫁が君」と
いう冬の季語を選んでみました。嫁が君とはいったいなんやらと申しますと、正月三が日のネズミの美称なんであります。まぁ、すごいですね、
昔の人々のネーミング力は。ネズミと言えば汚い印象が強くて人間にはどちらかというと嫌われてしまう方ですが、(ミッキーマウスやトム&ジェリーのジェリーなどは別格扱いとなります。)「嫁が君」の美称はネズミにはもったいないかと。ですが、今の時代では、嫁様がネズミというのもモラハラかもしれませんが。今日の一句、小林一茶は信州が生んだ偉大な俳人ですが、その生涯は波乱に満ちたものでした。家督相続の争いや三度の結婚、
子供たちの死など。一茶の人生は苦難の連続ではありましたが俳人としては人生の悲哀をこめながら斬新な句の作り方をしております。さて、ここで
困ったことが「嫁が君」の嫁は雄のネズミにも適用できるのでしょうか・・・。悩みます。

  


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2025年01月03日

ねこはるこじろうのお正月







ねこに来る賀状や猫のくすしより   久保より江






正月三が日は今日でもう終わり、あっという間だった方も多いかと思いますが、介護職は盆暮れは忙しい状態でございます。
利用者様も自宅へ戻れない方ばかりです。ご家族が会いに来てくださることもありますが、自宅へ戻れない寂しさはありますね。
さて、当ブログのねこはる家は、仕事柄正月は、ほぼ休みなく、働きながらということになりますが、ただ一人、いやただ一匹例外なのが、
今年10歳になる愛猫のねこはるこじろう氏。今年の正月も食べて寝ての生活だったようです。まぁ猫ですからね、それでもいいかと思いますが。
さて、今日の一句は年賀状の句。最近は年賀状でのやり取りが減ってよいやら悪いやらですが、こちらの句の猫さんは獣医さんから年賀状を
頂いた様子。何だかほのぼのですが、この句は昭和の前期に作られたもので当時から牛や馬、豚、鶏のほかに飼い犬や飼い猫も診察していたんですね。私的にはちょっと驚いた一句です。

  


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2025年01月02日

今夜は初夢か・・・。






初夢のかたちのままの寝床かな   日原 傳




初夢は、元日か二日の夜に見る夢のことで「一富士二鷹三茄子」とかの夢を見ると縁起がいいとか、また、悪い夢を見ないために獏を描いた
絵を枕の下に敷くとよいなど昔から言われてますが、初夢見ないですね。見たことないです。何十年か生きてますが・・・。
でも普段は夢を見る時もあります。一つ二つ思い出に残った夢を挙げると、有名な女優さんと結婚した夢とか、悪魔の住む館に忍び込んだ夢とか。これらを夢占い的に言うとどうなんでしょうね。夢占いをパソコンで検索して照らし合わせても、ねこはるが見た夢でお金持ちになれたとかないですからね。
今日の一句も初夢に関する句ですが、こちらは余りにも凄い夢を見たせいかシーツが乱れている様子。いったいどんな初夢かと想像させる一句となっております。




*獏(ばく)は伝説の生物。中国発祥で、日本へ伝わった。日本では、人が睡眠中に見る悪夢を食べるとされる。  


Posted by ねこはる at 13:27Comments(0)